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「シンポジア再び」――ギリシャワインの魅力に迫る【第2回】ギリシャのワイン生産地

「ワインセミナー講師養成講座」の生徒さんが、ギリシャワインをテーマにしたセミナー「シンポジア再び」を企画されています。彼女に感化されて、私もギリシャワインの魅力を4回シリーズでご紹介していますが、第2回となる今回は、ギリシャワインを語る上で欠かせない3大産地に注目します。取り上げるのは、ナウサ、ネメア、そしてサントリーニ島です。


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ナウサ

北部マケドニア地方に位置し、赤ワイン用の土着品種「クシノマヴロ」の故郷として知られます。冷涼な気候と石灰質を含む複雑な土壌から生まれるワインは、酸とタンニンが力強く、長期熟成に耐えるのが特徴です。ブルゴーニュのピノ・ノワールやバローロに例えられることもあり、エレガンスと奥行きを兼ね備えています。


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また、近隣にはギリシャ第二の都市テッサロニキがあり、世界遺産のビザンチン遺跡群や賑やかな街並みと合わせて訪れる観光客も多いエリアです。


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ネメア

ペロポネソス半島北東部に広がる、ギリシャ最大級のワイン産地ネメア。名称の由来を持つAghios Giorgios村にちなんで名付けられた土着品種アギオルギティコからは、「ヘラクレスの血」と呼ばれる赤ワインが生まれます。果実味豊かで柔らかな口当たりが特徴で、標高の異なる畑からは、軽やかでフレッシュなタイプから濃厚で力強いフルボディまで、多彩なスタイルを楽しむことができます。


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また、ネメアは古代神話の英雄ヘラクレスゆかりの地としても知られています。ヘラクレスは、前回ご紹介した酒神ディオニソスの異母兄弟でもあり、この土地ではワインと神話の物語が重なり合います。


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さらに近隣には古代遺跡が残るコリントや世界遺産のエピダウロス劇場もあり、歴史と文化を巡る観光とワイン体験を一度に楽しめる魅力あふれる地域です。


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サントリーニ島

エーゲ海に浮かぶ美しい火山島サントリーニは、白ブドウ「アシルティコ」の聖地として知られています。溶岩質でミネラル豊富な土壌と、島を吹き抜ける強風に対応するため、独特の籠状仕立て(Kouloura クルーラ)が守り継がれています。


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私の生徒さんはこう語っています。「サントリーニ島の有名ワイナリー、ドメーヌ・シガラスを訪れ、地面に枝をくるくると巻かれたブドウの木を見ながら飲んだ『ミネラルをふんだんに含んだアシルティコ(ギリシャの土着ぶどう)』が本当においしく、帰国する頃にはすっかりギリシャワインの虜になりました。」

ここでいう「くるくると巻かれたぶどうの木」は、サントリーニならではの籠状仕立てのことを指します。


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アシルティコから造られるワインは酸が高く引き締まった味わいで、柑橘の爽やかさや塩味を思わせる個性を持ち、世界的にも高い評価を受けています。


さらに、白壁に青い屋根が映える街並みは日本人観光客にも人気で、ハネムーンやエーゲ海クルーズの定番スポットとして多くの人を魅了しています。


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まとめ

ナウサの繊細さと奥深さ、ネメアの親しみやすさ、サントリーニの個性――いずれもギリシャの自然・歴史・文化と結びついたワインが楽しめる産地です。観光地としても魅力にあふれ、訪れる人を惹きつけてやみません。

次回は、こうした3大産地を支えるギリシャの代表的なブドウ品種について掘り下げてご紹介します。

 
 
 

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